2008年03月10日

シーンを作れない

 香山リカ『ポケットは80年代がいっぱい』(バジリコ)を2回読む。変に神格化するような書き方ではないのがよい。この本で初めて知った固有名詞で検索して、コクシネル、ガセネタの再発CDをいぬん堂とアマゾンへ注文し、2ちゃんねるの山崎春美スレッドからリンクを辿ってタコの1stを落とさせて貰う。ついでに『闇のカーニバル』のアメリカ盤DVDも注文する。ブログ検索で気合いの入った素晴らしいエントリを見つけ、鈴木いづみとの関係までをも示唆される。

 本書は「ひとくちに80年代と言っても前半と後半では全く違う」というスタンスに立っていて、後半については予兆としてしか語っていない。だからバブルもディスコも出てこない。もっぱらサブカルチャー勃興期の、著者自身が体験した雑誌編集とその周辺の音楽シーンなどの回想だ。そして約半分のページが山崎春美に割かれている。また北村昌士やロリータ順子についての、のちの精神科医らしい分析もある。編集者と二足のわらじを履いていた医大生の半自伝として読んでも面白い。

 タイトルがなんか不自然だなあと思ったらYMOの曲名のもじりらしい。

 80年代前半に「週刊少年ジャンプ」に熱狂する小学生だった俺としては、中川翔子的な80年代カルチャー享受にも(若干のズレを感じながらも)共感するところが多いのだが、決してそれだけではない。あたりまえだがガキだけがいたわけではない。80年代を前半と後半に分けるとしたら、思春期の厭人と絶望にはまりこんでいった後半は俺にとって無かったも同然なので、そんなところも本書のパースペクティヴに同意する理由かもしれない。


posted by アナグラ at 09:22| 東京 ☔| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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